MIEL読者の皆さまこんにちは!ドーナツは朝食派、NYからKEIKOです。今回は福岡よりひと足先に肌寒くなり秋の訪れを感じるNYから、「読書の秋」にちなんで日本でも馴染み深い【紀伊國屋書店】のNY本店についてお届けします!マンハッタンのミッドタウンにある人々の憩いの場、ブライアントパーク。そのすぐ向かいには、歴史と誇りあるニューヨーク公共図書館があります。穏やかな空気感に包まれた豊かなこの場所に、明るいガラス窓を構えた書店――紀伊國屋書店ニューヨーク本店があります。
世界が交差する本棚で

ドアを開けてまず目に飛び込んでくるのは、日本語ではなく英訳の本の数々。テーマは文学からアート、日本文化を解説する書物まで幅広く揃えられていて、外国人読者にとっても入りやすい世界が広がっています。

アメリカの人気小説から日本のアート本まで幅広い
「NYに住む日本人」ではなく、「欧米に潜在する日本文化好き」のための書店

実は日本から輸入された日本語の本は、地下1階の奥にさりげなく置かれていて、いつも賑わっている2階の巨大なマンガフロアも、メインは英訳版。それもそのはず、紀伊國屋書店の昨年度のデータによると、日本語版の売り上げは英語版の約1/4に留まり、アメリカ国内に展開する全21店舗の顧客のうち9割以上がアメリカ人であると発表されています。

コンビニのおにぎりや唐揚げ等のレシピまで網羅したユニークな書籍
つまり紀伊國屋書店は「NYに住む日本人」ではなく、「欧米に潜在する本好き、日本文化好き」に思い切り舵を切っているのです。その的確で振り切った戦略に感銘を受けるとともに、日本企業の米国進出におけるひとつのビジネスストラテジーを垣間見ることが出来ました。

書籍にとどまらずアニメフィギュア、日本製文具などの雑貨まで幅広く取り扱う
本と一緒に味わう日本の味覚
2階の一角には、富澤商店ブランド、TOMIZカフェ。


そこではメロンパンやアンパン、フルーツサンドやお弁当が並びます。英語のマンガを手にしたニューヨーカーが、隣のテーブルで日本式のパンを頬張っている――そんな光景は、まさに本と食の両方から「世界が日本文化を愉んでくれている」ことを目の当たりにする瞬間です。




弁当や焼きそばパンにどら焼きなど アニメや漫画にもよく登場するポピュラーな日本食が並ぶ
世界から見た日本を感じる場所
紀伊國屋書店ニューヨーク店の素晴らしさは、日本人に安心を届ける以上に、欧米の日本文化好きのニーズを掴み、しっかりとファン化していることにあります。英語の書棚を中心に据え、日本文化を解説し、マンガを英語版で広げることで、アメリカ人や海外からの旅行者が「ここで日本と出会う」体験を日常の楽しみとしているのです。
それは日本人の私にとって、「世界から見た日本」がこんなにも鮮やかに、そして愛情をもって受け止められていることをリアルに感じることができる安らぎの場所に他なりません。
紀伊國屋書店さん、ありがとう!
See you next time!!
- 店名
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紀伊國屋書店 ニューヨーク店