街角の静かな扉を開けて – マンハッタンのBOOK OFFへ
読者の皆さまこんにちは!NY通信のKeikoです。今回は日本でお馴染みBOOK OFFさんの、NYでの快進撃の様子をレポートします!
ニューヨーク・マンハッタンの中心、ブライアントパーク近く。
通りを歩いていると、どこか見覚えのある白くてまるい笑顔のキャラクターの視線を感じます。
よく見るとその先には、ガラス越しに微笑む“よむよむ君”。
そう、ここは日本でお馴染みの「BOOK OFF」のNew York店です!
名前から“中古書店”を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、
ここNYのBOOK OFFは、書籍・映像(DVD・ブルーレイ)・音楽(CD・レコード)を主軸としながら、フィギュアやトレーディングカード、ゲームなどを戦略的に展開する総合リユースショップへと進化しています。
外観は控えめで、いかにも日本的な雰囲気は少なく、
アメリカのカルチャーショップのように街に自然に溶け込んでいます。
来店客の中には、BOOK OFFが日本の企業であることを知らない人も多いほど。
それだけ、ニューヨークの街にしっかりと馴染んでいるのです。
まるでカルチャーの宝箱 – 店内とフロア構成
店内は3フロアで構成されています。
地下1階はDVD・ブルーレイ・CD・レコードなどの映像・音楽ソフト、
1階にはアニメや映画のキャラクターを中心とした、フィギュアやカードなどのカルチャーグッズが並びます。
2階は英語圏の書籍やUS版コミックを中心とした落ち着いた空間です。
日本語表記は最小限で、接客も英語中心。
それでも、商品の整然とした陳列や状態の良さなど、
“日本の品質基準”が随所に感じられるのが印象的です。
また現在は日本語書籍の買取を行っておらず、取り扱う書籍は主にUS出版の英語タイトルです。それでも「日本的なきめ細やかさ」を感じさせる店舗運営が、多国籍の来店客から支持を集めています。
数字が語るNY市場 – 売上トップ3カテゴリー分析
DVD
アメリカでは近年DVDやブルーレイの生産・販売中止が相次いでいます。
その結果、BOOK OFFは物理メディアを求める人々の最後の拠点として定着しています。特に1980年代以前の白黒映画やクラシック作品を求める
中高年層のネイティブ客が多く、「もうここでしか買えない」という安心感がリピーターを生んでいます。
書籍

電子化が進む中でも、アメリカの書籍市場は拡大を続けています。
2023年には約67億ドル、2032年には108億ドルと、年平均5.5%の成長が見込まれています。
BOOK OFF NYでも書籍は変わらず大切な主軸です。
店内の約500棚のうち日本語書籍は10棚(約5%)にとどまりますが、
英語小説や翻訳コミック、US出版の書籍が売上を支えています。
“読む文化”をリユースという形で次の世代へつなぐ姿勢は、日本と変わらないBOOK OFFらしさを感じさせます。
フィギュア
BOOK OFF NYでは、主軸ジャンルに加えて人気を伸ばしているのがフィギュアです。コロナ前はスパイダーマンなどの米国キャラクターが中心でしたが、近年は日本アニメの人気が高まり、ドラゴンボール、セーラームーン、鬼滅の刃など日本発キャラクターが主役に躍り出ています。
需要が供給を上回る状況に対応し、日本国内のBOOK OFFで買取された余剰フィギュアをアメリカへ輸出して販売する独自ルートを確立。
“日本での在庫をアメリカで再流通させる”というリユースビジネスならではの循環モデルが成功を納めています。
ローカルに溶け込み、グローバルに展開するBOOK OFF流戦略
今回の取材を通して感じたのは、
NYのBOOK OFFが単なる“日本の中古販売店”ではなく、
「文化を循環させるグローバル拠点」として成熟しているということです。書籍・映像・音楽という文化の核を守りながら、現地のトレンドに 合わせてフィギュアやカードを戦略的に展開する柔軟さ。
そして、日本の品質基準や物流ノウハウを活かした国際的なオペレーション。それらが見事に融合し、ニューヨークの街で“日本発リユース文化”が新しい形に息づいています。
ローカルの感性に寄り添いながら、
グローバルに文化を循環させる――。
BOOK OFF USAはまさにその象徴であり、
これからの国際ビジネスのあり方を力強く示しているように感じました。
お話を伺いながら、心の中で「いいね!」を連打…
いや、太鼓を鳴らしたい気分になりました!
See you next time!! 🎵
